東大寺のお水取り (修二会) のおりに十一面観音にささげる椿の造り花のための和紙染めが佳境に入っています。
一日3kgの紅花を水に浸けこみ、翌日、黄水洗いをして、藁灰の灰汁で揉み込んで赤色を抽出し、米酢を入れて木綿に染め、それを再び少量の灰汁に入れて濃い紅色にして、次に烏梅で発色させます。
翌日、それを羽二重の上に流して、その上にのこった輝くような紅の泥 (艶紅) を集めて、和紙に塗ります。
4〜5回塗って濃き紅にします。3kgの紅花で和紙がようやく3枚染めあがります。
2月20日に東大寺に納めます。2月23日が椿の花の花ごしらえの日です。
艶紅 (つやべに/ひかりべに) の色と解説は『日本の色辞典』紫紅社刊 42ページに解説されています。