昨年から、法隆寺と NHK より、法隆寺に伝来する聖徳太子ゆかりの国宝「獅子狩文錦」の復元に取り組んでほしいとの要望があり、様々な方々のご協力を得て、私ども吉岡工房で努力してきた。
周知のように国宝「獅子狩文錦」は今から一千数百年前、中国随唐時代に織られた錦で、巾130センチ、長さ150センチにも及ぶ大きなものがそのままの形で世界でただひとつ現存し、シルクロードの交流を表わすかのようなペルシャ風の雄大な文様をたたえている。
私どもでは巾2メートル、長さ8メートル、高さ5メートルにも及ぶ空引機という古式の機を造り、紅花、藍などで糸を染めて織ってきた。
その獅子狩文錦の織物は全体の半分が完成。古代中国の空引機、この巾2メートルの機で二人が織り手となり、もう一人が機の上、天井近くに登って、経糸を文様にしたがって引きあげる。この機は、現在では世界一大きな機。織物の総長2メートル50センチ、1日におよそ1センチしか織れない。来春法隆寺へ献納できる予定である。
*写真は実際に「空引機」の大きさを体感できるように、4つの方向から撮影したものです。
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